- 原題
- Romeo and Juliet
- 発表
- 1595年前後(初演)
- 初出
- 1597年に第一・四折本として刊行
- 形式・長さ
- 戯曲・中編
- 手ごわさ
- すぐ読める
- 書棚
- ヨーロッパの文学
イタリアの町ヴェローナで、代々いがみ合うモンタギュー家とキャピュレット家。その両家の息子と娘が舞踏会で出会い、ひと目で恋に落ちます。周囲に隠れて結ばれた二人の恋が、両家の争いに巻き込まれていく、わずか数日間の物語です。
こんな人に
- 周りに反対されるほど燃え上がる恋の話が好きな人に
- 笑いと悲しみが一つの舞台で入れ替わる芝居を味わいたい人に
- 誰もが知る話を、原作ではどう描いているか確かめたい人に
あらすじ(ネタバレなし)
舞台はイタリアの都市ヴェローナ。モンタギュー家とキャピュレット家の争いは激しくなるばかりで、町を治める大公は、これ以上争う者は厳しく罰すると宣言します。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、ロザラインという女性への片想いに沈んでいました。気晴らしにと友人たちに誘われ、敵であるキャピュレット家の舞踏会に忍び込みます。そこで彼は、キャピュレット家の一人娘ジュリエットに出会い、二人はたちまち恋に落ちます。
互いが敵の家の子だと知っても、二人の気持ちは変わりません。ロミオは修道僧ロレンスを訪ね、ジュリエットとの結婚を頼みます。ロレンスは、二人の結婚が両家の争いを終わらせるきっかけになることを期待して、ひそかに式を挙げることを引き受けます。けれども、町では両家の若者たちの小競り合いがまた始まろうとしていました。
主な登場人物
- ロミオ
- モンタギュー家の一人息子。物語の始まりでは、別の女性ロザラインに片想いしている。
- ジュリエット
- キャピュレット家の一人娘。もうすぐ14歳の誕生日を迎える。
- ロレンス
- フランシスコ会の修道僧。二人の相談役となり、ひそかに力を貸す。
- 乳母
- ジュリエットの世話係。おしゃべりで、ジュリエットとロミオの間を取り持つ。
- マキューシオ
- ロミオの友人。大公の親戚で、冗談と言葉遊びの多い人物。
- ティボルト
- キャピュレット夫人の甥。モンタギュー家への敵意が強く、血の気が多い。
- パリス
- 大公の親戚の若い伯爵。キャピュレット家にジュリエットとの結婚を申し込む。
見どころ・おもしろいところ
喜劇から悲劇への急転
前半は、冗談や言葉遊びの多い明るい恋愛劇のように進みます。ところが第三幕の街頭での争いを境に、物語は一気に深刻な調子へ変わります。笑いがあるぶん、その後の重さがいっそう際立ちます。
数日で駆け抜ける物語
シェイクスピアが下敷きにした物語詩では九か月かけて進む出来事が、この戯曲では4日から6日ほどの間に起こります。曜日や時刻を告げるせりふが多く、若い二人が時間に追い立てられるような速さが、作品の大きな特徴です。
窓辺で交わされる言葉
舞踏会のあと、ロミオはキャピュレット家の庭に忍び込み、窓辺に現れたジュリエットの独り言を聞いてしまいます。ここから二人は恋の駆け引きを飛ばして率直に言葉を交わします。物語の中でも特に有名な場面です。
つまずきやすい所と、読み通すコツ
人物は二つの家で分ける
戯曲はせりふだけで進むので、誰がどちらの側なのかを見失いがちです。モンタギュー家、キャピュレット家、大公の一族の三つに分けた登場人物表を手元に置くと、争いの場面がぐっと追いやすくなります。
最初の恋の相手は別の人
第一幕でロミオが思い悩んでいる相手は、ジュリエットではなくキャピュレットの姪ロザラインです。名前が出てきても混乱しないよう、先に知っておくと楽です。ロミオの心変わりの早さは、18世紀の批評家のあいだでも議論になりました。
冗談は全部わからなくていい
マキューシオや乳母のせりふには、しゃれや際どい冗談が非常に多く出てきます。一つ一つの意味を追わなくても筋は追えるので、わからない冗談は注で確かめる程度にして先へ進んでかまいません。
イタリアの物語が英国の舞台へ
二つの家に引き裂かれる恋人たちの話は、古くから何度も書き直されてきました。1530年ごろにルイジ・ダ・ポルトが書いた物語で、舞台がヴェローナに、二人の名前もロメオとジュリエッタになります。その後バンデルロの小説、フランス語訳、英訳を経て、シェイクスピアの手に渡りました。
シェイクスピアは、ブルックの物語詩で九か月かかる話を数日に縮め、マキューシオやパリスなど脇役の人物像を大きくふくらませました。作品は宮内大臣一座の人気の演目となり、その後も欧米の多くの劇場で上演されています。
最も多く映画化された戯曲
この作品は最も多く映画化された戯曲の一つとされています。1968年のゼフィレッリ監督版と1996年のバズ・ラーマン監督版は、それぞれ公開当時、シェイクスピア映画で最も大きな興行収入を上げました。
舞台を現代のアメリカに移したミュージカル『ウエスト・サイド物語』も、この戯曲の翻案です。音楽では、グノーのオペラ、プロコフィエフのバレエ、チャイコフスキーの幻想序曲などが生まれています。
結末まで知りたい人へ
ネタバレを含むあらすじを開く
結婚式の直後、ロミオは街頭の争いに巻き込まれ、親友マキューシオをティボルトに殺されて逆上し、ティボルトを殺してしまいます。大公はロミオを追放の刑に処し、ロミオはジュリエットと一夜を過ごして町を去ります。一方、キャピュレットはジュリエットにパリス伯爵との結婚を命じます。
助けを求められたロレンスは、仮死状態になる薬を使ってジュリエットを死んだように見せ、ロミオのもとへ逃がす計略を立てます。しかしその知らせはロミオに届きませんでした。ジュリエットが死んだと思ったロミオは、墓の前でパリスと決闘して殺し、ジュリエットのそばで毒を飲んで死にます。直後に目覚めたジュリエットも、ロミオの短剣で後を追います。真相を知った両家は悲しみに暮れ、ようやく和解します。
よくある疑問
- 『ロミオとジュリエット』はどんな話?
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敵対する二つの名家の息子と娘が恋に落ち、ひそかに結婚したものの、両家の争いに巻き込まれていく恋愛悲劇です。
- バルコニーの場面は原作にある?
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シェイクスピアの原作では、ジュリエットは窓辺に現れるだけで、バルコニーという言葉は出てきません。英語にこの言葉が現れるのはシェイクスピアの死後のことで、バルコニーはのちの翻案や上演で定着したものです。
- 元になった話はある?
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シェイクスピアが直接の種本にしたのは、アーサー・ブルックの物語詩『ロミウスとジュリエットの悲しい物語』だと言われています。その元をたどると、イタリアで書かれたいくつもの小説に行き着きます。
- 「ロメオ」と「ロミオ」はどちらが正しい?
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どちらも同じ人物です。イタリアが舞台なので古くは「ロメオ」と書かれ、のちに英語読みの「ロミオ」が多くなりました。音楽やバレエでは、いまも「ロメオ」と書くのが慣習です。
出典
あらすじと解説は、上の資料と作品の本文をもとに編集部が書いています。表紙の絵はこのサイトで作った装丁で、実際の本の表紙ではありません。
