フィリップ・K・ディック

フィリップ・K・ディック

Philip K. Dick

1928年〜1982年・アメリカ

どんな作家?

独占企業や独裁的な政府、ふつうでない意識の状態を繰り返し描いたアメリカのSF作家です。生涯に44編の長編と約121編の短編を書き、その多くがSF雑誌に載りました。『ブレードランナー』『トータル・リコール』など、作品の映画化が非常に多いことでも知られます。

最初の一冊

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?P・K・ディックアンドロイドは電気羊の夢を見るか?P・K・ディック・長編

映画『ブレードランナー』の原作として入口が広く、人間とアンドロイドを分けるものは何かという問いが、まっすぐに描かれています。

貧しさのなかで書き続けた生涯

1928年、シカゴで双子の一人として生まれました。双子の妹は生後まもなく亡くなり、その死は「幻影の双子」というモチーフとして多くの作品に影を落としたとされています。バークレーの高校では、のちのSF作家アーシュラ・K・ル=グウィンと同じ学年でしたが、当時は互いを知りませんでした。カリフォルニア大学バークレー校に進みましたが中退し、1950年代初めから専業作家として雑誌に作品を売るようになりました。

1963年に『高い城の男』でヒューゴー賞を受け、SF界では天才として迎えられます。それでも原稿料の安い出版社にしか相手にされず、作家になってからはほぼ常に貧乏でした。1974年には幻覚を伴う神秘的な体験をし、のちの作品に大きな影響を与えます。1982年、脳梗塞のため53歳で亡くなりました。

揺らぐ現実を描く作風

ディックの小説は、社会や政治、形而上学をテーマにしています。薬物、心の病、神秘体験といった自身の体験を作品に取り入れることも多く、後期の作品では神学への関心が強く表れています。

ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムは、アメリカのSFを厳しく批判するなかでディックだけを高く評価しました。2007年には、SF作家として初めてアメリカの古典叢書ライブラリー・オブ・アメリカに作品が収められています。

P・K・ディックの作品