アルベール・カミュ

アルベール・カミュ

Albert Camus

1913年〜1960年・フランス

どんな作家?

フランス領アルジェリアの貧しい家に生まれ、小説『異邦人』やエッセイ『シーシュポスの神話』で「不条理」の哲学を打ち出した作家です。戦時中はレジスタンスの新聞で筆をふるい、劇作家としても活動しました。43歳でノーベル文学賞を受け、46歳で交通事故により急死しています。

最初の一冊

異邦人カミュ異邦人カミュ・中編

カミュが最初に刊行した小説で、短く、文章も簡潔です。不条理という考え方を、理屈ではなく一人の男の物語として体験できます。

アルジェの少年からノーベル賞作家へ

1913年、フランス領アルジェリアに生まれました。父は翌年、第一次世界大戦のマルヌ会戦で戦死し、母と兄とともにアルジェの貧しい地区で育ちます。小学校の教師ルイ=ジェルマンが才能を見抜いて家族を説得し、奨学金で高等中学校に進めました。カミュはこの恩を生涯忘れず、ノーベル賞記念講演の本をこの先生に捧げています。

アルジェ大学を出たあと新聞記者となり、冤罪事件や植民地経営の不正を暴く記事を書きました。第二次世界大戦中に『異邦人』『シーシュポスの神話』などの「不条理」の作品を完成させ、パリ解放後は新聞『コンバ』の編集長を務めます。1947年の『ペスト』で広く読者を得て、1957年にノーベル文学賞を受けました。1960年、友人の運転する車の事故で亡くなり、自伝的小説『最初の人間』は未完に終わりました。

不条理と反抗

カミュの言う不条理とは、理性を保ったまま世界に向き合ったときに現れる不合理さのことです。その運命から目をそらさずに見つめ続ける態度を「反抗」と呼び、その反抗が人々の連帯を生むと考えました。病や災禍、殺人や戦争といった人間を襲う暴力との闘いが、作品の一貫した主題です。

しばしば実存主義の作家に数えられますが、カミュ自身はその関係をはっきり否定していました。一切の政治的暴力を退ける『反抗的人間』をめぐっては、サルトルとの論争の末に絶交しています。キリスト教にも革命思想にも頼らず、人間の側にとどまって生の意味を探し続けた作家です。

カミュの作品