J・D・サリンジャー

J・D・サリンジャー

J. D. Salinger

1919年〜2010年・アメリカ

どんな作家?

『ライ麦畑でつかまえて』で、世代を超えて若い読者の心をつかんだアメリカの作家です。成功のあとは人前から姿を消し、1965年を最後に作品の発表をやめてしまいました。世捨て人のイメージがつきまとった、謎の多い作家でもあります。

最初の一冊

ライ麦畑でつかまえてサリンジャーライ麦畑でつかまえてサリンジャー・長編

サリンジャーの名を世界に知らしめた代表作で、彼の分身ともいわれる主人公ホールデンの声を直接聞ける作品だからです。

戦場をくぐり、静かな町へ

サリンジャーはニューヨークのマンハッタンで、ユダヤ系の貿易商の父のもとに生まれました。寄宿学校を退学になったあと、ペンシルベニアの陸軍士官学校で学び、消灯後の寮で小説を書き始めています。コロンビア大学の夜間の創作講座で学び、1940年に短編『若者たち』で作家としてデビューしました。

1942年に陸軍に入隊し、ノルマンディー上陸作戦に一兵士として参加します。従軍中にはパリで作家ヘミングウェイと知り合い、才能を認められました。強制収容所の解放にも立ち会い、戦後は精神的に追い込まれます。

1951年に『ライ麦畑でつかまえて』を出すと、静かな暮らしが難しくなり、1953年にニューハンプシャー州コーニッシュへ移りました。2010年、その自宅で91歳で亡くなりました。

少ない作品と、沈黙

代表作の長編『ライ麦畑でつかまえて』のほかに、短編集『ナイン・ストーリーズ』や、グラース家の兄弟姉妹を描いた連作などを発表しています。『フラニーとズーイ』もその一つです。作中で戦争の過酷さを描きながらも、自分の戦争体験を直接語ることはありませんでした。

1965年に雑誌『ニューヨーカー』に載せた中編を最後に、作品の発表をやめます。伝記の出版や自作の無断の続編には裁判で強く抵抗し、作品の映画化も許しませんでした。それでも町では「ジェリー」と呼ばれ、教会の夕食会に通うなど、地域に溶け込んで暮らしていたといわれています。

サリンジャーの作品