スタニスワフ・レム

スタニスワフ・レム

Stanisław Lem

1921年〜2006年・ポーランド

どんな作家?

ポーランドを代表するSF作家で、著書は41の言語に翻訳され、2700万部が売れたとされています。医学や哲学、サイバネティクスに通じ、人間の理性には限界があるという冷静な目で、異質な知性との出会いや科学のあり方を描きました。風刺の効いた寓話や、架空の本の書評集といった実験的な作品も残しています。

最初の一冊

ソラリスレムソラリスレム・長編

レムの代表作で、彼の作品に繰り返し現れる「異星の知性とはわかり合えないかもしれない」という主題を、最もよく知られた形で描いた長編だからです。

国境が動く町に生まれて

1921年、ポーランド領だったルヴフ(のちのウクライナのリヴィウ)に、医師の家庭に生まれました。この町はその後ナチス・ドイツに占領され、次いでソ連領となります。こうした体験から、確かなものは何一つないという世界観が育ったとされています。

一家は1946年にクラクフへ移り、レムはヤギェウォ大学で医学を学びました。同じ年から雑誌に詩や小説を発表し、1951年の『金星応答なし』が高く評価されて専業作家になります。1960年代にはポーランドで最も有名な現代作家となり、1987年の『大失敗』を最後の小説として、2006年にクラクフの自宅で亡くなりました。

理性の限界を見つめるSF

1959年から1969年にかけて、『エデン』『ソラリス』『砂漠の惑星』のファーストコンタクト三部作を書き、西側でも高く評価されるようになりました。いずれも、人類が出会う知性が人間とはまったく違うものかもしれないという問いを扱っています。

1970年代には、架空の本の書評を集めた『完全な真空』や、実在しない本の序文集『虚数』など、メタフィクションの実験に挑みました。ポーランド語ならではの表現をちりばめた文章は、他の言語への翻訳がとても難しいともいわれます。

レムの作品