星新一
1926年〜1997年・日本
どんな作家?
数ページで終わる短い物語「ショートショート」を1001編以上書き、「ショートショートの神様」と呼ばれた作家です。地名や人名をほとんど使わない簡潔な文章で、時代を超えて読める寓話を残しました。小松左京・筒井康隆と並ぶ「SF御三家」の一人です。
最初の一冊
ボッコちゃんボッコちゃん
星が自ら選んだ50編を収めた短編集で、代表作の表題作も入っています。一編ずつ短いので、気に入った話から少しずつ読めます。
製薬会社の跡継ぎから作家へ
1926年、東京の本郷に生まれました。父は星製薬の創業者で星薬科大学を創立した星一で、母方の大伯父には森鷗外がいます。東京大学農学部で農芸化学を学び、大学院に進みました。
1951年に父が急に亡くなり、大学院をやめて会社を継ぎますが、経営はすでに傾いていて、会社を手放すまで処理に追われました。その直後、病床で読んだブラッドベリの『火星年代記』に心を動かされ、SFの道へ進むきっかけになったと振り返っています。
1957年、日本初のSF同人誌『宇宙塵』の創刊に加わり、そこに発表した「セキストラ」で注目を集めます。1983年にはショートショート1001編を達成しました。その後も、古くなった言葉を直す作業を続け、1997年に71歳で亡くなっています。
時代に縛られない寓話
星のショートショートには、具体的な地名や人名がほとんど出てきません。主人公には「エヌ氏」のような名前を使い、時事風俗は扱わないなど、自分に多くの制約を課して書きました。そのおかげで、どの時代、どの土地の読者にも読める作品になっています。
星は自分を「現代のイソップ」と称し、寓話のような作品を数多く書きました。作品は20を超える言語に訳され、教科書にも載っています。筒井康隆は、人間への深い理解と愛情が、星の作品に透明感を与えていると評しました。
