ウィリアム・ギブスン
William Gibson
1948年〜・アメリカ・カナダ
コンピュータ・ネットワークが人間をどう変えるかを、インターネットが広まる前から描いてきたSF作家です。「サイバースペース」という言葉を作り、デビュー長編『ニューロマンサー』でその考えを広めました。SFの一分野サイバーパンクの代表的な作家です。
最初の一冊
ギブスンの最初の長編で、電脳空間という考えを世に広めた作品です。後の三部作の出発点でもあり、この作家の世界に入るなら最初に読む一冊です。
アメリカからカナダへ渡った作家
1948年、アメリカ・サウスカロライナ州のコンウェイに生まれ、幼いころの多くをバージニア州の小さな町で過ごしました。12歳のころには、SF作家になること以上に望むものはなかったと振り返っています。18歳で母を亡くしたあと学校をやめ、カリフォルニアやヨーロッパを旅しました。
1967年、ベトナム戦争の徴兵を避けることを考えてカナダへ移ります。トロントを経てバンクーバーに落ち着き、ブリティッシュコロンビア大学の英文科を卒業しました。1970年代後半から執筆を始め、1982年の短編「クローム襲撃」でサイバースペースという言葉を生み出しています。
技術と都市を見つめる作風
ギブスンの作品は、ハイテクと社会の底辺の暮らしが組み合わさった世界を描きます。『ニューロマンサー』に続く『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライヴ』で三部作を完成させ、1990年にはブルース・スターリングと『ディファレンス・エンジン』を共作しました。この作品は、スチームパンクと呼ばれる分野の重要作とされています。
1990年代には近未来の都市を舞台にした「橋」三部作を書き、21世紀に入ると、ほぼ現代の世界を舞台にした写実的な小説へと移っていきました。1999年にはイギリスのガーディアン紙が、彼を過去20年間でおそらく最も重要な小説家と評しています。
