フランク・ハーバート
Frank Herbert
1920年〜1986年・アメリカ
砂漠の惑星を舞台にした《デューン》シリーズで知られるアメリカのSF作家です。新聞記者として働きながら小説を書き、生態学と宗教、政治と権力が絡み合う壮大な未来史を作り上げました。生態学をSFの主題にした先駆けとされています。
最初の一冊
ハーバートの代表作であり、シリーズの出発点です。この一冊だけでも物語は一区切りつくので、続編に進むかどうかは読み終えてから決められます。
記者を続けながら書いた作家
1920年、アメリカ・ワシントン州タコマに生まれました。子どものころから作家を夢見て、19歳のときには年齢を偽って新聞社で働いています。第二次世界大戦中は海軍で写真係を務め、戦後はワシントン大学で学びましたが、卒業はしなかったと息子のブライアンは書いています。
その後も新聞や雑誌の記者として働きながら、1950年代からSF雑誌に短編を書き始めました。1955年に最初の長編を出し、1959年ごろから『デューン』の下調べを始めます。6年をかけて完成させたこの作品は、多くの出版社に断られたあと1965年に刊行されました。
本がすぐに大きく売れたわけではなく、ハーバートが専業作家になったのは1972年のことです。その後は《デューン》シリーズを書き継ぎ、1986年の『デューン 砂丘の大聖堂』が生前最後の作品になりました。同じ年、膵臓がんのため65歳で亡くなっています。
人間の可能性を問う作風
ハーバートは、哲学や宗教、心理学、政治、生態学の考えを確かめるためにSFを書きました。カリスマ的な指導者に人々が従う危うさや、言葉が考え方に与える影響なども、繰り返し取り上げた主題です。答えをはっきり示さないのも特徴で、読者は自分で考えることになります。
『デューン』では技術の描写をあえて抑え、技術の未来より人間そのものの未来に目を向けました。用語集や引用、歴史までを作りこんで一つの宇宙を築いたことから、ファンタジーにおける『指輪物語』にたとえられることもあります。
