F・スコット・フィッツジェラルド
F. Scott Fitzgerald
1896年〜1940年・アメリカ
1920年代のアメリカ、狂騒の「ジャズ・エイジ」を描いて時代の寵児となった作家です。「失われた世代」の一人に数えられ、生前に発表した長編はわずか4作でしたが、その作品は後の多くの作家に影響を与えました。
最初の一冊
作者の若き日の恋や、ロングアイランドでの華やかな暮らしが最も凝縮された作品で、長編の中でも短く読み通しやすいからです。
栄光と転落の二十年
フィッツジェラルドはミネソタ州セントポールの、アイルランド系のカトリックの家に生まれました。プリンストン大学に進みますが、第一次世界大戦中に陸軍に入り、アラバマ州の訓練地で小説を書き始めます。そこで出会ったのが、のちに妻となるゼルダ・セイヤーでした。
1920年、長編『楽園のこちら側』がベストセラーになり、同じ年にゼルダと結婚します。けれども華やかな暮らしを支えるには小説の収入では足りず、雑誌に短編を書きまくって生活費を稼ぎました。1930年にゼルダが心の病で入院し、大恐慌の時代には作品も売れなくなります。晩年は借金返済のためにハリウッドで脚本家として働き、1940年、44歳で心臓発作により亡くなりました。
ジャズ・エイジを描いた作家
作品の多くは、豊かさと享楽にわいた1920年代のアメリカを舞台にしています。とくに『グレート・ギャツビー』によって、フィッツジェラルドはジャズ・エイジの象徴として語られるようになりました。ただ、明快でハッピーエンドの多かった人気短編と違う重い物語は、発表当時の若い読者にはあまり歓迎されませんでした。
精神科医の転落を描いた長編『夜はやさし』も、恐慌下のアメリカではあまり読まれませんでした。死後、未完の長編は親友の批評家エドマンド・ウィルソンの手で『ラスト・タイクーン』として出版されています。生前に得られなかった評価は、死後になって大きく高まりました。
