イワン・ツルゲーネフ
Ivan Turgenev
1818年〜1883年・ロシア
どんな作家?
ドストエフスキー、トルストイと並ぶ19世紀ロシア文学の代表的な作家です。地主貴族の家に生まれながら、農奴の暮らしを描いて農奴制を批判し、時代の変化を映す小説を次々に書きました。生涯の多くをパリなど西欧で過ごし、ロシア文学を西欧に紹介する役割も果たしました。
最初の一冊
父と子父と子
親の世代と子の世代の対立という、いつの時代にも通じる主題を扱った代表作です。会話が多く人物の数もほどほどなので、ロシアの長編の入口として読みやすい一冊です。
地主の家に生まれ、西欧で暮らす
1818年、ロシア中部オリョールの地主貴族の家に次男として生まれました。モスクワ大学、ペテルブルク大学で学んだのち、ベルリン大学で哲学や古典語を学んでいます。批評家ベリンスキーと親しくなり、1843年に叙事詩を発表して文学の道に進みました。
同じ年、夫も子もあるオペラ歌手ポーリーヌ・ヴィアルドに一目惚れし、彼女を追ってパリに移り住みます。以後、西欧とロシアを行き来する生活が生涯続きました。1883年にパリ郊外のブージヴァルで亡くなり、ペテルブルクでは国葬が営まれています。
時代の空気を映す小説
農奴の暮らしを描いた『猟人日記』は、1861年の農奴解放に大きな役割を果たしたとされます。『ルージン』などでは、高い理想と教養を持ちながら現実には無力な「余計者」を描き、『父と子』『処女地』では新しい世代の思想をとらえて社会に論争を巻き起こしました。自伝的な中編『初恋』も広く読まれています。
パリでは西欧の作家や芸術家と広く交わり、ロシア文学を西欧に紹介しました。日本では二葉亭四迷がいち早く翻訳し、国木田独歩や田山花袋ら自然主義の作家たちに大きな影響を与えています。
